自分の"からだ"

「脳死は人の死」とする臓器移植法が成立され、いろいろと話題になっています。 "死"というのは心臓が止まったり、呼吸が止まったりした状態を他者が見て判断しますが、「今、自分は死んでいる」などと自分で自分の死を感じることはできません。脳死と診断された人は心臓は動き、人工呼吸器の助けを借りながらですが呼吸もしています。意識はないと言われていますが、自分のからだをどのように感じているのかすごく気になります。 さて、自分の"からだ"ですが、みなさんは普段自分の"からだ"を自覚しているでしょうか?多くの方はさまざまなほとんと自覚することなく動いていることでしょう。しかし、"からだ"を自覚するときがあります。それは鏡などに写った自分を見た時。それから、病気やケガをした時。 前者は主に形態的なことです。「ちょっと太ったかな?」「自分ってこんな顔してたっけ?」など。目で見て自分の"からだ"を自覚します。それと比べて、後者は機能的なことです。風邪をひいたりするとすごく"からだ"が重く感じます。普段意識しない"からだ"を一気に感じます。ケガをした時も同様です。脚をケガした時にうまく歩けなくて、「歩くのってこんなに大変だっけ?」と感じたことがある人もいるはずです。しかし、病気やケガが治ったり、障害があっても日常動作として熟練すると、また動きを意識することはなくなります。 "からだ"がある自分。ときどき、自分の"からだ"と向き合う時間をつくってみると面白いかもしれませんよ。ただ、動く時に「ここがこうなって、ああなって」と考えすぎると逆に動けなくなることがありますから、ほどほどに。...
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第8回宮城県ボッチャ選手権大会に行ってきました

  皆さんは"ボッチャ"という競技をご存知ですか? ボッチャは、重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障害者のためにヨーロッパで考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目にもなっています。ジャックボールという白い目標球に、赤・青のボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。詳しいルール等は日本ボッチャ協会のページをご参照ください。 今回の大会は土曜日・日曜日と開催されていたのですが、私は今日(日曜日)のみ行ってきました。宮城県ボッチャ協会の方に、「差し支えなければブログで紹介したいのですが...」と話したら、「どうぞどうぞ!みんな目立ちがり屋だから。ボッチャをもっと広めてください!」と様々な道具や競技方法の説明もしてくださいました。 ボッチャの特徴はボールを投げることができなくても、ランプスという道具を使って、自分の意思を介助者に伝えることで参加できること。 競技者の一人、山尾哲也さんが実際にやって見せてくれました。   山崎さんは腕も震えてしまうため、首の動きでボールをリリースします。ランプスの角度や方向が重要なの介助者との意思疎通が大切になります。実際に使用しているこのランプスや頭に装着している用具、実は試行錯誤しながら手作りしたものだそうです。色々な工夫がされていましたが、まだまだ改良したいところがたくさんあるとのこと。ランプスの調整をしやすくしたり、頭に装着する装具を安定化させたり、軽量化させたり...。 装具関係、工学関係の方、よいアイデアがありましたらぜひご協力ください! 宮城県ボッチャ協会の会長さんは「ボッチャは重度の人が競技者(アスリート)になれる競技。リハビリにもなる。」と熱く語ってくださいました。障害の有無に関係なくレクリエーションとしても取り組めますが、「競技性もより高めていきたい」とも話されていました。宮城県を越えて東北全体での交流も視野にいれていらっしゃいます。  自分でやってみるもよし、ボランティアとして競技のサポートをするもよし。簡単に見えて奥深いボッチャをぜひ体験してみてください。関心のある方は宮城県ボッチャ協会へお問い合わせください。もちろん当方にでも結構です。<宮城県ボッチャ協会>〒983-0836  仙台市宮城野区幸町4-6-2  宮城県心身障害者福祉センター内  TEL 022-257-1005  FAX 022-257-1062...
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障害があるからこそ体育を

 最近、障害のある子どもと接する機会があり、"障害児の体育"に関する文献を数冊探してきました。その中の一冊、「障害児の体育 〜その考え方と具体的展開〜」という本は、医療と体育のつながりを再考させてくれました。まえがきに書かれていた文章の一部をご紹介致します。 ●「障害を負っている子どもの場合においても、人間としての法則の共通性、権利の平等性、集団や方法の共同性のなかで、普遍的な文化の平等と社会の実践に支えられて、発達を実現していくと共に障害の軽減・克服が見通され、意図され、保障されなければならない」 ●「『体を育てる』ことを抜きにして、障害児の存在も発達も障害の軽減克服も考えられない。もちろんそれはすべてではない。しかし、欠くことのできない必要条件である。そのためにも『体育』を土台にしなければならないはずである。」 ●「体育は健康を獲得し、保ち、発展させていくための直接の学習でもある保健と強い関係をもっている。体育は体や道具が物体を必要に基づいて運び動かすこと、すなわち運動とも深い結合を持っている。体の内なる働きの育ちと日常の在り方とも連携している。」  どうですか?障害児の体育に関して書かれた本ですが、大人にあてはまることもたくさんあります。実はこの本、最近出版されたものではなくて、初版は昭和56年。今から28年前です。ちょっと難しく感じる人がいるかもしれませんが、続きが気になる方はぜひ読んでみてください。図書館にもあるかもしれませんよ。 ...
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足こぎ車いす が実用化

 東北大学大学院、半田康延教授のグループが研究開発していた"足こぎ車いす"が実用化されました。私が東北大学大学院に行っていた頃も少し話は聞いていましたが、いよいよ一般社会でこの車いすを使って移動している人が見れそうです。  この車いすは脳血管障害などで片脚が麻痺していても、その片脚をペダルに固定してもう片方の脚でこげば、あたかも自分でこいでいるように動く仕様。普段なかなか使わない麻痺側の脚を動かすので、日常的にリハビリもできます。  これまで数メートル進むのに眉間にシワを寄せていた人が、ニコニコ笑いながら「よっ!」などと通り過ぎていくようになるかも?  商品の詳細は株式会社TESSのホームページ(http://h-tess.com/)でご覧に慣れます。...
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運動しようとは思うけど…

メタボリック症候群。今やこの言葉を聞いたことがない人はほとんどいないのではないでしょうか。今年の5月26日に発表された食育白書でも、言葉も意味も知っているという人は9割弱というデータが載っています。 ただ、その予防や改善のために食事や運動に気を使っているは3割弱。知っているけど実行には移せない人が多いようです。 (さらに…)...
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