最近、障害のある子どもと接する機会があり、”障害児の体育”に関する文献を数冊探してきました。その中の一冊、「障害児の体育 〜その考え方と具体的展開〜」という本は、医療と体育のつながりを再考させてくれました。まえがきに書かれていた文章の一部をご紹介致します。

●「障害を負っている子どもの場合においても、人間としての法則の共通性、権利の平等性、集団や方法の共同性のなかで、普遍的な文化の平等と社会の実践に支えられて、発達を実現していくと共に障害の軽減・克服が見通され、意図され、保障されなければならない」

●「『体を育てる』ことを抜きにして、障害児の存在も発達も障害の軽減克服も考えられない。もちろんそれはすべてではない。しかし、欠くことのできない必要条件である。そのためにも『体育』を土台にしなければならないはずである。」

●「体育は健康を獲得し、保ち、発展させていくための直接の学習でもある保健と強い関係をもっている。体育は体や道具が物体を必要に基づいて運び動かすこと、すなわち運動とも深い結合を持っている。体の内なる働きの育ちと日常の在り方とも連携している。」

 どうですか?障害児の体育に関して書かれた本ですが、大人にあてはまることもたくさんあります。実はこの本、最近出版されたものではなくて、初版は昭和56年。今から28年前です。ちょっと難しく感じる人がいるかもしれませんが、続きが気になる方はぜひ読んでみてください。図書館にもあるかもしれませんよ。