これ、児童デイサービスに通っているA君の雄叫びです。

本日は鉄棒運動5週目。A君は前回まで何度も前まわりにチャレンジしながら、恐怖感からまったくできずにいました。
周りの子から「がんばって」「もう少しでできそう」と声をかけられる一方、順番を待っている子から「早く〜」という声も稀に出ていました。A君は他の子に優しく接する子で、『次の子に早く順番を渡したい』という思いと『早く廻れるようになりたい』という思いでやや焦っているようにも見受けられました。

今日はこのA君にどうしても成功してもらいたいと思い、準備体操の段階から前回りの恐怖間を少しでも消せるような動きを取り入れました。一緒に手伝ってくれるスタッフもピンときたようです☆

体操が終わって鉄棒の前へ。他の子が次々と前まわり逆上がりを成功させていく中、A君はなかなか廻れずにいました。脚が宙に浮いてしまうことと、頭が下がって視界が逆さになるのが怖いようで前に身体を倒すことすらできません。
『そうであれば、脚が地面に向かっていき、頭が下から上に向かう逆上がりからやってみよう』と試したところ、身体を支えながらではありますが、クルッと廻ることができました!
その直後、本人はキョトン。その後1〜2秒置いて「やったー!できたー!」の声。周りのスタッフや友達からは「うわー、すごーい!」「やったね!」と声があがりました。

喜んで列の後ろに回ろうとする時、「今度は前周りできるんじゃない?」と声をかけておきました。
そして次の順番。頭を鉄棒より下にさげることすら難しかった子が、腰に手をそえられながらですが、クルっと前まわりができました。
できた後は「やったー!できたー!」と雄叫び。そして、館内を走って跳んで喜んできました。それに周囲も同調。まるでオリンピックで金メダルをとったかのような勢いです(笑)。

「今日はあと一回ずつね」と声をかけ順番を待っている中、もうA君に「早く〜」という子はいません。A君も、もう周りを待たせなくてよいと思ったのでしょう。順番を待っている時も笑顔でした。

前まわりができるようになったことで、身体能力が上がったことはもちろん、できたという喜びを感じ(精神面)、周囲との関係改善(社会性)にもなりました。A君にとってはリハビリテーションです。

今日お家に帰ったら、家族にどんな話をするのでしょうか?
その話を聞くのも楽しみです。