みなさんは『体育』と聞いて何を想像するでしょうか?
運動すること?運動技術を身につけること?できばえを競い合うこと?
本来、『体育』とは各時期や様々な状態において
①自分や他者の心身を理解して、
②健康を維持・増進していく意識と行動力を養う
ことを目的とした教育分野の一つです。
決して、運動技術を身につけたり、運動のできる・できないを評価するだけのものではありません。
「自分の心身を理解するってどういうこと?」と思う方がいるかもしれませんが、これは
・自分のできることと難しいことがわかる
・できないことをできるようにするにはどうすればよいかわかる
・できないことを他者とどのように協力すればよいかわかる
などといったことです。
これができていないと、怪我をしたり病気を煩ったり、他者とトラブルになったりすることがあるわけです。
何かを実践するには、まずそれを知らなければなりません。
運動の実践のみならず、身体のしくみや成り立ち、性・年代に即した疾病や障害の予防、身体と自然・社会環境との関連に関する知識を得る『保健の講義』があるのはそのためです。
人間の心身は一生を通して変化します。ただ、環境に適応し続ける一方、対応できず破綻をきたす場合もあります。これは学校へ通っている時期だけではありません。むしろ、社会に出てから心身の変化を感じる人が多いのではないのでしょうか?
だから、体育は年齢や通学中のみならず、性別や障がいの有無を問うものでもありません。