リハビリテーションと聞くと、『ケガなどの回復や機能訓練』と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、決してそれだけではありません。

リハビリテーションの本来の意味は『人間の権利・資格・名誉の回復』という、全人格にかかわるもので、人間らしく生きる権利を回復することです。残っている能力を広げる一方、できないことは他者にサポートしてもらえる環境をつくり、たとえマイナス要因が残っても困らないようにすることが目的です。

具体的には…
①病気や形態障害に対して
 →痛みの緩和、関節の可動域維持、筋力強化など
②能力低下に対して
 →食事や入浴など生活行為の再獲得、道具の利用、環境整備など
③社会参加に対して
 →訪問支援、他者との交流、就職、地域住民による障害の理解など
④生きがいへの援助
 →役割や仕事・趣味の再獲得など

このように、決して訓練をして元の状態に戻ることとは限らないのです。
『できること』と『できないこと』を知り、持っている能力を引き出して『できること』を増やす一方、『できないこと』に対してはどのような援助が必要なのか知ることも大切なことです。

また、リハビリテーションは時間を限定したものです。

今後の人生をリハビリの名のもとに過ごしていくことは、権利を回復しないまま生きていくことと言えなくもありません。

→ ④体育って運動することじゃないの?

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